こんな症状はありませんか?
トイレに関する症状
- トイレが近い
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 行ったばかりなのに、すぐにまたトイレに行きたくなる
- 外出の際には、トイレの場所を確認しないと落ち着かない
- トイレが我慢できなくなった
- 途中でトイレに行きたくなるのでコンサートやスポーツ観戦から足が遠のいた
排尿時の症状
- 尿の勢いが弱くなった
- 排尿に時間がかかる
- 残尿感があってすっきりしない
- 尿意はあるのに尿が出ない
- 尿漏れすることがある
- 出し切ったのに後から少し尿が漏れて下着が汚れる
- 尿道から膿が出る
- 血尿が出る
- 排尿時に痛みがある
- 背中が痛い
- 下腹部・陰嚢が痛い
主な疾患
前立腺疾患
前立腺疾患には、前立腺肥大症、前立腺炎、前立腺がんなどがあります。
膀胱がん
膀胱がんは高齢の男性が発症するケースが多く、50歳以上の発症率が高くなっています。ほとんどの膀胱がんは尿路上皮(移行上皮)という細胞でできた内側の粘膜に発生します。 膀胱がんの診断には、超音波検査、膀胱鏡検査(尿道・膀胱を細い内視鏡で観察する検査)、および尿中にがん細胞が落ちているかどうかを調べる尿細胞診が有効な検査です。 膀胱がんの治療としては、まず、麻酔をかけて膀胱鏡で腫瘍を観察しながら、がんを電気メスで切除する方法(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-BT)を行います。この手術で取り出した組織を顕微鏡で調べてから(病理組織学的診断)、その後の治療方針が立てられます。 膀胱がんは大きく分けて表在性膀胱がんと浸潤性膀胱がんがあり、表在性膀胱がんの方が頻度は高いです。表在性膀胱がんは、がん細胞が内側に向かって隆起するタイプで、悪性度は比較的低く、転移も多くありません。ただし再発率が高いため治療後の経過観察が重要です。浸潤性膀胱がんは、膀胱の外に向かって進展するケースがあり、転移もしやすく、悪性度が高いがんです。尿道からの手術(TUR-BT)後に膀胱全摘出術と尿路変更術、放射線治療や抗がん剤治療を行います。 ※当院では、他院と連携して 膀胱がんの経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR‐Bt)後の定期的な膀胱鏡検査(軟性膀胱鏡)、超音波検査なども可能です。
精巣がん
精巣は陰嚢の中にあって、睾丸とも呼ばれている臓器です。左右の陰嚢に1つずつあり、卵形をしています。 精巣がんに罹る割合は10万人に1人程度とされ、比較的稀な腫瘍です。しかし、他の多くのがんと異なり、発症のピークが20~30歳代と若く、40歳以下の罹患が2/3を占めています。 片側の精巣の腫れなど大きさの違い、硬さの変化などで気付くことが多いですが、痛みや発熱などの症状がないため発見が遅れることがよくあります。精巣がんは比較的早期に転移が起こりやすいため、転移した先に起こる症状ではじめて気付くことも珍しくありません。精巣がん自体は比較的予後のよいがんであるため、早期発見が重要になってきます。 精巣がんが強く疑われる場合には、腫瘍のある精巣を摘出する手術を行います。そして手術で取り出した組織を顕微鏡で調べてから(病理組織学的診断)、その後の治療方針が立てられます。
腎臓がん
腎臓は左右に1つずつあってそら豆のような形をしています。血液をろ過して不要な物質を含んだ尿を作って排泄させる役割が知られていますが、尿を作るだけでなく、造血・血圧・骨などをコントロールする重要な役割を担っています。腎臓がんは、尿生成を行う組織にできる腺がんであり、尿路(尿の通路)に発生する腎盂がんとはまた別の疾患になります。 男性に多いがんで、発症が多いのは40~70歳代ですが、まれに20歳代の発症もかなりあります。透析治療を受けている方が発症しやすい傾向にあります。 腎臓がんの症状としては血尿、腹部腫瘤、疼痛が代表的なものとされていますが初期には自覚症状はほとんどなく、検診などで偶然発見されることが多いです。治療は主に腎摘出や腎部分切除などの手術が行われており、進行例には免疫療法、化学療法、放射線療法などが行われています。
尿路結石症
腎臓にはシュウ酸カルシウムや尿酸などの尿中の成分が固まった結石ができることがあります。尿路結石の中には尿管結石、腎結石、膀胱結石が含まれます。なお、胆石はまったく異なる病気です。 腎臓で作られた尿は細い尿管を通って膀胱へ運ばれ、尿道を経由して排出されますが、尿と一緒に流れ出た結石が尿管の途中で詰まってしまった状態を尿管尿路結石症と呼びます。尿の流れが滞って血尿、背中やわき腹などの激しい痛みを起こし、発熱をともなうケースもあります。壮年期(30~40歳くらい)の男性と閉経後の女性がかかりやすい病気です。 日本人の10人に1人が、一生に一度はかかるといわれています。 通常は薬物療法で痛みを抑えながら自然に排出されるのを待ちますが、なかなか結石が下降しない場合や大きな結石の場合には、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経尿道的尿管砕石術(TUL)による治療が必要になる場合があります。また、腎結石・膀胱結石も大きさ・症状によって、破砕を行うことが必要になります。 結石は再発しやすいため、排出した後も定期的な検査が必要です。内科的な疾患(副甲状腺機能亢進症・高尿酸血症など)が原因となる場合もあるので、これらの疾患を治療する必要がある場合もあります。排出された結石の成分分析を行って、結石の種類を知ることで予防につながる場合もあります。また、尿が濃くなってしまうと結石ができやすくなるため、一日2L程度の水分をとることが再発防止には重要になります。
尿路感染症
尿路は尿の通り道で、腎臓、尿管、膀胱、尿道があります。この尿路が細菌感染を起こして炎症している状態が尿路感染症です。一般的には腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、尿道炎などを指します。ほとんどは尿道口から入った細菌による感染であり、頻度が1番高いのは膀胱炎です。膀胱炎は尿道が短い女性に多い傾向があります。 症状には、頻尿、排尿時の痛み、尿の白濁、血尿などがあります。通常は発熱を起こしませんが、腎盂腎炎と急性前立腺炎は発熱を生じる場合があります。抗菌薬による治療が有効です。ただし、残尿がある、尿道が狭い、尿の逆流があるなどの基礎疾患がある場合、その治療も重要です。再発しやすいのですが、いくつかの注意点を守ることでリスクを下げることができます。
性感染症(STD)
性行為によって感染するもので、クラミジア感染症、淋菌感染症、尖圭コンジローマ、梅毒、性器ヘルペス、毛ジラミ症、HIV感染症などがあります。原因には細菌、ウイルス、寄生虫、原虫などがあり、性交だけでなくオーラルセックスなどを含む粘膜接触によって感染します。同じ病気でも症状が男女によって異なることが多く、どちらかに症状が現れにくい感染症もありますが、症状がない場合もパートナーの方の治療が不可欠です。排尿時の痛みや残尿感、尿道からの膿、陰部周辺にイボ状の突起などがあったら、すぐに泌尿器科を受診してください。放置していると将来的に不妊の原因になる、または赤ちゃんに感染してしまう可能性もあります。
男性の不妊症について
妊娠と出産ができるのは女性だけであるため不妊は女性の問題だと認識されている方が多いのですが、不妊の約半数が男性不妊症を原因としていることがわかっています。男性不妊症の原因には、精巣で精子を造る機能の障害、勃起障害・射精障害などの性機能障害、精子の通路がふさがっている精路通過障害などがあります。日本では約8組に1組のカップルが不妊とされており、不妊がこれほど多いにもかかわらず約半分の原因となっている男性不妊症についての認知度が低いことが問題となっています。 重要なのは、男性不妊症が妊娠不可能ではなく、適切な治療を受けることで妊娠の実現が可能なケースが多いことです。男性は不妊症の検査に抵抗を感じる方が珍しくないのですが、検査を受けて正しい状況を確認することはとても重要です。また男性不妊症の検査は身体検査(超音波検査)、精液検査などであり痛みなどが一切なく、女性が受ける検査とは比べ物にならないほど身体への負担が少なくなっています。不妊でお悩みのカップルの場合、まず男性不妊症の検査を受けることはパートナーの方の負担を軽減し、守ることにもつながります。 産婦人科の不妊検査や診療は通いにくいという男性でも気軽に受診いただけるよう、当院では男性医師がプライバシーに十分配慮した診療を行っています。不妊はカップルの男女双方がしっかり現状を把握し、今後の治療計画をしっかり立てて協力していくことがとても重要です。おひとりでいらしていただいても大丈夫ですし、当院ではカップルでご来院される方も多く、幅広いお悩みにしっかり対応しています。なかなか子供を授からない、勃起や性行為、射精などに問題があるなど、どんなことでも気軽にご相談ください。
精液検査について
当院では、精液検査を外部検査機関に提出しています。そのため初回診察後に精液提出日のご予約をいただき、ご予約日時に精液を専用の容器に入れて持参いただいています。当院は土曜日午前中にも診療しているので、土曜日の検体提出も可能です。
血尿が出た方へ
血尿
血尿は見た目でわかるものだけでなく、尿検査ではじめてわかる尿潜血も含まれます。見た目でわかる血尿で痛みがない場合には膀胱がんや腎臓がんなどの可能性があり、尿潜血にも重大な病気が隠れているケースがあります。肉眼で確認できる血尿がある、検診などで尿潜血を指摘された場合は、できるだけ早く泌尿器科の専門医を受診する必要があります。
泌尿器検査
尿検査
尿に含まれるたんぱく質・糖の有無などを分析し、顕微鏡で赤血球や白血球の有無を調べます。
超音波検査
超音波検査は痛みなどの不快感が全くなく、被ばくの心配もない安全でご負担のない検査であり、繰り返し検査することも可能です。体の深部を観察できるため、膀胱、前立腺、精巣など泌尿器系の臓器の診断に欠かせない検査です。なお、当院では不快感のある経直腸超音波検査を行っていませんので、安心していらしてください。
膀胱鏡
尿道から挿入して膀胱を観察する内視鏡を用いた検査です。血尿の診断に用いられることが多く、膀胱がんなどでも使われます。当院ではこれまでのものより安全で苦痛が少ない内視鏡を導入して検査のご負担を軽減しています。なお、この検査を実施しているのは平日(月・火・水・金)午後であり、事前のご予約が必要です。
尿流測定検査
通常通り排尿していただくことで尿の勢いが調べられる専用のトイレで検査を受けていただきます。立位でも座位でも計測できるため、男女を問わず検査可能です。この尿流測定検査と超音波による残尿測定を行うことで排尿の状態を客観的に評価でき、多くの泌尿器疾患の診断に役立ちます。