膀胱炎

膀胱炎について

膀胱炎について膀胱炎について膀胱は腎臓で作られた尿をためておく場所で、この粘膜に炎症を起こした状態が膀胱炎です。女性は男性より尿道が短く、外尿道口と肛門が近いため膀胱炎になりやすい傾向があり、20~30歳代の若い女性に多い病気です。

膀胱炎には急性のものと慢性のものがあり、急性はほとんどの場合、細菌感染によって起こっています。慢性膀胱炎はさまざまな原因によって起こります。

膀胱炎を放置していると症状が改善しないだけでなく、腎盂腎炎の原因となる可能性があるため早めに的確な治療を受ける必要があります。

膀胱炎の症状

急性膀胱炎は、頻尿、排尿時の痛み、尿の混濁が主な症状です。排尿時の痛みは排尿の終わり頃に起こります。他にも、排尿後にすぐまた尿がたまってしまう感じがする、残尿感がある、血尿などが起こることがあります。

慢性の膀胱炎は急性のように強い症状が現れることはあまりなく、炎症が悪化した際に頻尿、排尿時痛、残尿感があらわれます。

膀胱炎の種類

急性膀胱炎

細菌感染によって起こっており、原因菌は8割以上が大腸菌であるとされています。尿量が少なくなってたびたびトイレに行きたくなる頻尿、排尿時の痛み、残尿感、尿の白濁などの症状があります。

慢性膀胱炎

慢性的な炎症が膀胱に起こっており、急性の膀胱炎が慢性化しているケースもありますが、前立腺肥大症、尿路結石などの病気や、抗がん剤などの薬剤が原因になっている場合もあります。急性膀胱炎のような強い症状が出ることは少なく、自覚症状がほとんどない場合もあります。ただし炎症が急激に悪化して頻尿や排尿時の痛み、残尿感が現れることもあります。

間質性膀胱炎

膀胱粘膜の下にある間質や筋層にまで炎症が広がって膀胱の筋肉が萎縮する病気です。原因がまだ解明されていない病気で、主な症状には、頻尿、知覚過敏、尿意切迫感があり、特徴的な症状として膀胱に尿がたまるにつれて痛みが起こる膀胱痛があります。膀胱痛は排尿によって改善します。

放射線性膀胱炎

放射線治療によって粘膜が炎症を起こしている状態です。前立腺がんや膀胱がん、子宮がんなどの放射線治療で起こる可能性があり、治療を受けてから数年後に発症するケースもあります。急性期には頻尿や排尿痛、残尿感、尿の白濁などの症状が現れます。慢性期になると膀胱粘膜から出血する症状が現れることもあります。

出血性膀胱炎

ウイルス感染やそれにともなうアレルギー性の炎症、抗がん剤などにより発症します。ウイルス感染による出血性膀胱炎では、子どものアデノウイルス感染が最も多くなっています。肉眼でわかるほど赤い血尿や頻尿、排尿痛、残尿感があり、微熱が出ることもあります。

膀胱炎の治療

原因や症状の程度により治療法は全く異なってきます。また、よくある細菌感染による急性の膀胱炎でも近年は薬剤耐性菌と呼ばれる抗生物質の効かない細菌が登場していることもあり、原因菌に対して効果のある抗生物質の種類を特定する薬剤感受性検査が必要なケースも増えています。必ず泌尿器科を受診して適切な治療を受けてください。

急性膀胱炎

抗生物質の服用により比較的短期間で改善するケースが多くなっています。効果が服用後1~2日で現れはじめるため、数日程度の服用で治療が終了することもよくあります。

慢性膀胱炎

細菌感染が疑われる場合には抗生物質を服用し、原因となる病気があればその治療を行っていきます。

間質性膀胱炎

原因がまだわかっていないため症状を軽減させる治療を主に行っていきます。薬物療法では抗アレルギー薬や抗うつ薬が用いられ、膀胱水圧拡張術や生活習慣などの改善なども行います。膀胱水圧拡張術は、膀胱に生理食塩水を注入するもので、診断と治療に役立ちます。生活習慣の改善では、尿を膀胱に少しずつためる訓練、刺激物の制限などがあります。

出血性膀胱炎

最も多い原因となっているアデノウイルスには効果のある薬がありません。そこで、しっかり水分補給を行って安静を保ち、経過を観察しながら自然治癒を待ちます。真っ赤な血尿が出るため心配だと思いますが、ほとんどの場合、尿の色は数日で改善し、他の症状も1週間程度で改善します。

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